ねえねえ おばあちゃん それからどうなったの？
お嬢様はシェモワがたいそう気に入って
のどを撫でてあげたの
シェモワったら気持ちよさそうに目をつむっていたわ
そしたらワッズードがすり寄ってきてね
それでお嬢様はどうしたと思う？
--さあ？ うーん お母様に内緒でお庭に出たんじゃないかしら
ピンポーン そうなの お嬢様はお転婆なのね 小窓からそっと表に出たのよ
ワッズードもシェモワもぴょんとお庭に出たわ
でもね お嬢様はひとつだけいいことしたのよ
--あら なにかしら
ワッズードの黄色い靴下をぬがしてポケットに入れたの
--なるほどなるほど
ワッズードとシェモワはそりゃもうよろこんで芝生の上を走り回っていたわ
お屋敷のお庭の花壇にはチューリップやバラがいっぱい咲いていてとても綺麗
お嬢様も追いかけて走っていって
久しぶりにいっぱい走ったせいでお疲れになったのね 噴水のそばで大の字になって寝っころがったのよ
--あらあら！ ワッズードとシェモワはどうしたの？
お嬢様の横できちんとお座りしたわ
--お利口な猫さんね！
天気はいいし、風はさわやか、わたあめみたいな白い雲がぷっかりぷっかり
お嬢様はそのまますやすや寝てしまったの
ワッズードもすやすや
でもシェモワはえらいわね ちゃんとお座りしたままよ
--そーかー きっとガードマンしたのね！
そうそう シェモワは猫の騎士ですもの きっと こう言ったのよ
・・・遍歴の騎士たるわたくしシェモワは、わが思い姫ワッズードと、姫のご主人を守るのです
--ほーっ
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