ミンミンは目のくりくりしたかわいい女の子です。今日から夏休みがはじまったのでお父さんとあこがれの銀河旅行にゆきます。
「アンドロメダ号は3番ホームからまもなく出発します、お乗りの方はおいそぎください。」
「お父さん はやくはやくー！」
お父さんはミンミンにひっぱられてすべりこみセーフ、アンドロメダ号はしずかに動きはじめました。窓の外はダイアモンドをちりばめたすいこまれるようなまっ黒。下を見ると水色にかがやく地球。
「お父さん見て見て あんなにきれい」
地球は青くひかる真珠でした。アンドロメダ号は加速をかさね漆黒の空間をとんでゆく。
「ティー オア カフィー？」
きれいなお姉さんが飲み物をすすめてくれました。
「お父さん、おなかすいたね？」
ミンミンの食欲にはいつも敵なし。
「ああおいしかった。」
「まもなくステラ199に到着します。4時間停泊しますので降りられるお客さまはお乗りおくれのないようご注意ください。」
「降りてみようか。」
「うん」
「ほらあれ見て！」
ミンミンの指差すほうを見ると大きなカラクリ時計の下にいっぱい人があつまっています。
「12時だよ！」
人形たちが笛と太鼓とバイオリンで大行進。
「あーおもしろかった。」
「あ！かーわいぃ！」
ミンミンはお父さんの手をひっぱってちっちゃなくまのぬいぐるみのまえでしゃがみこました。
「コンニチワン オジョサン」
「ボクノコトン キニイッタン」
「あらあんた、おなまねぇ おなまえは？」
「ボクワカンナイノン」
「へぇー、はんのういいじゃん、じゃきみのなまえはー、ノンちゃん！」
「アリガトン オジョサン」
「オジョサンじゃないの！ミンミン！」
「ヨロシクン ミンミン」
「よろしくねん」
「けっこう高かかったんだぞ」
「すんまへん、パパ！」
ミンミンはあとでお父さんの肩をもんであげようとおもって振り返ったら
「あれ？お父さんたら、あれ？お父さん、お父さーん、お父さーーん！」
どこにもいません。
「アンドロメダ号はまもなく出発します、ご乗船のお客さまはお急ぎください。」
「お父さーん、どうしようどうしよう」
「ボクニキキナサイン」
「なにもったいぶって！ おしえなさいっ！」
「タブンアソコン」
「やあやあ おまたせおまたせ」
「もおーっ」
「ミンミンオコンナイン オコンナイン」
「お客さま お急ぎください」
「なにしてたの？ お父さん？」
「はは、ちょっとね。おこってるミンミンもかわいいね。」
（なにいってんだか、でも、ま、いいか）
ミンミンはお父さんの肩をもんであげました。
窓の外はプラネタリウム、見上げると銀河。あそこに向かってるんだ。
ミンミンの胸は期待でいっぱいになりました。
「ミンミン ミンミン ミンミンミン・・・・」
「？ あれ？」