「ツイタヨーン」
「カフェドニアで ございますです へいか」
「だれか きてるかしらん パロトン みてらっしゃいな」
「あー だれか きてたら へんじ しなさいな」
脚の長い紳士が陛下の前に進んで、こう申しました。
「えー じょうおう へいかに おかれましては ごきげん うるわしく おかおも はればれと ごそんがんを はいし たてまつって こうえい しごくに ぞんじます はい へいか」
「ありがと まえも きいたような おことばね」
「あー ほかに だれか いるかな コホン」
「ハーイ へいか げんきー？」
「あら マイチェン じゃないの あいかわらず げんき だこと」
「しんあいなる フルモース・フェティータ へいか いつも おきれいで すてきー！」
「ありがと マイチェンも きれいに なったわねえ」
「うふ メルシン あら こちらの おじょうさまは？」
「むすめよ みんみん っていうの」
「はじめまして みんみん かわいいわねん」
「はじめまして、マイチェンさん。ありがとうございます」
「サンタルチアン みんみん」
「はい、マイチェン。かっこいいですねん」
「サンキュ ははーん へいか みんみんと ごいっしょに バトゥルーニアに ゆくんでしょ」
「まあね」
「てれなくっても よくってよ へいか ふむふむ」
「おかあさま おげんき？」
「はいはい とても げんきでーす へいか いつも へいかの こと おはなし してるんですよ」
「うれしいわ」
「えー へいか おしょくじでも いたしましょか コホン」
「そうね みんみん マイチェンはね ふたつに なるまで バトゥルーン へいかと わたしの ところで くらして いたのよ」
「だから覚えてないんですよねん、陛下。まったく意味不明ですものねん、陛下」
「そうね くとらとしとてでしょ いろんな いみが うまれるのね」
「それってやっぱりますます意味不明とおもいます、陛下」
「そうね このくらいにしましょ パロトン おしょくじの じゅんび できたかしらん」
「ラジャン へいか とくべつ れすとらん カフェドリアンで さきほどから おまちかねで ございますです へいか」
「パロトン おかねは あるかしらねん またたれてもねえ もちあわせが ねえ」
「いちまんギルダン ほどで よございますでしょ へいか」
「そ じゃいきましょ」
「ラジャン へいか」
「のんちゃん、ドライーバー？」
「ラジャン ミンミン コッチニ スワッテネン」
「はーい。どこもかもきらきらつるつるねん。すてきー、このシート」
「みんみん すわりごこちは どう？」
「とってもいい気持ちです、陛下」
「ツイタデスン ヘイカ」
「おなつかしゅう ございます へいか」
「あら マーストリッチェン へいか おひさしぶりで ございます おじょうさまの おむかえ ありがとう ございます おきれいに なられて びっくり いたしましたわ」
「ま おてんばな ものですから へいかに ごぶれい したのでは ないかと おもいます おゆるし くださいませ へいか」
「いえいえ とんでもない あかるくて かっぱつで おじょうさまと おはなし すると たのしく なりますわ」
「カフェーヲ ノンデ オシャベリヲ シテ ソノウチ ヨルニ ナルカモネン
「あらなに このこ」
「コノコ デナクテ トランタン デスン」
「はじめまして、トランタン。おまじない いったの？」
「イエ アノン ソ デナイ デスン」
「ま よくみると かわいいじゃん」
「アリガトン マイチェン」
「トランタン この おねえさんが すき なんでしょ？ あたり？」
「ソ デスン フムン」
「かわいいわ ねえん」
「へいか すてーじで ふらぐだんすが はじまりますのよ まちの わかい おとこのこと おんなのこたちが いろ とりどりの はたを りょうてに もって おどるんですの」
マーストリッチェン へいかは へいかに このように おっしゃいました。
「これは みごとな ものですなあ コホン」
「パロトン おんなのこ ばかり みて くびが かたまってるわよ」
「とんでも ございませんです へいか コホン」
「ねえ みんみん」
「はい？ マイチェン？」
「あなた おとうさまは おげんき？」
「はい。はい、たぶん、あのー、えーと、途中ではぐれてしまったみたいなんです」
「あらまあ どうしたの かしら」
「なんだか気がついたら、こちらの国なんでしょうか、お国にいたんです。あのーマイチェン？ お父さまは？」
「わたしは ねえ おかあさまに そだてられたのよ あ みて みて きれいな ほし」
（それはそれはきれいな星空でした。マイチェンはそれきり黙って夜空を見上げていました）