俵ストーリーテリング研究所(e-mail:tawarayutaka@nifty.com)

くにこのインターネット航海記

ship internia

第2巻

第11話


「お父さん、今日ちょっと頭が痛いから、会社やすみます」
 くにこさんは、仕事の疲れがでたのか、昨日あたりから元気がありません。とうとう今日はお休みの電話を会社に入れました。いまごろ珍しくタイムカードがないそうで、入社以来はじめての自宅休養となりました。
 外は良い天気で空は青く、風はすこし冷たそうです。ベランダから見えるお茶畑のお茶の木が、もう刈り取られることもなく、のびのびと小枝を伸ばしています。午後のあったかい日差しがリビングに入ってきて、くにこさんはちっさなあくびをしました。遠くで小鳥のさえずりが聞こえます。ピルルル、ピロルル、ルルルル、ルルルルルル ルルル

ピロリー
 え?
ピロリー
 あら!
[くにこ様、お手紙が届いております。]
 あらあ、ユードラさん、お久しぶり
[お久しぶりです。くにこ様も、お元気そうで]
 それがね、ちょっと頭が、
 おや? 痛くありません、ちっとも、全然、気分爽快、あらあ
どうしたのかしら、でもよかった、直ったみたい
 ね、いま、あれ? ここ、どこかしら
[くにこ様、どうなさったんですか? 随分お帰りにならなかったからですね。
[もうあれから、1年もたったんですものね]
 ええ? そお? うっそー
 あのね、えーと、ここ、インターニア?
[はい、くにこ様]
 で、ここは、どこかしら
[女王様の宮殿の、くにこ様のお部屋です]
(ああ、あのマッキントッシュ城の女王様)
[女王様、ごきげんうるわしゅう]
 え! あっ、あの、ごきげんうるわしゅう存じます、陛下
Queen of Macintosh 「いいのよ、らくにらくに、おひさしぶりね、くにこさん」
「あなた、毎日、鏡を見るでしょ? 私は鏡をとうして、毎日あなたを見ていたのよ。あなたはわからないはずだけど」
 えー!?、ありゃりゃ、にきびつぶしてたのも見られてたのー? わっ、恥ずかしい
「恥ずかしがることないのよ」
 あれあれ、おみとうしだ
「そう、おみとうし、ね」
 はーい
「すなおで結構、」
 はーい
「ほら、早くお手紙読みなさいな」
 やっぱり、わたしって、いつもせかされるのね
クリック
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某月2日(木)

 はや、零時をまわり、時は過ぎゆく、とね。今日この頃は、というか、昨日とその前は、よその部屋のMacのConfigPPPがどうしても立ち上がらず、参った参った。ずっと以前、ちゃんと動くようにして、その後もその部屋の人が使って、異常なかったということなのに、今日いや昨日、僕がさわったその時におかしくなった。ConfigPPPのOpenをクリックしたとたん、ピタッと沈黙。それからというもの、OpenとSoftCloseとHardCloseのボタンはシャドウになって、反応せず、Statsボタンは黒いが反応せず。N氏に聞いて、初期設定や機能拡張の中を見て、ファイルをはずしたり、何だかんだしたが、一向に変わらぬ。解除したはずのConfigPPPの設定が、リセット後も消えずに残り、...。これは、初期設定をはずして解決したんだが、ConfigPPPが反応しないのは相変わらず。自宅のMacIIviは調子いいのにな。
昨日、帰りがけ、文教堂で牧野氏著「Macのインターネット幕の内」に思い当たる節があり、明日いや今日かほんとの明日かその次かに、やってみようかと思っている。ConfigPPPとPPPをインストールしたら、すぐリセットしてみよう。たしか、設定をしてからリセットかけたから。そうしないと牧野氏は設定がおかしくなる場合があると書いている。それと、MacPPPはこの本の添付のをインストールしてみよう。それと、System7.5では、システムにMacTCPが組み込まれているというから、それは知らなかったので、そのインストールをちゃんとやってみよう。
 さて、本日は筑波の図書館情報大学の増永教授にオブジェクト指向データベースの話を聞かせていただきに行く。それから、ささやかながらインターネットの体験もこちらから話題提供、しようかな。Good Night Baby. Just1:00am
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 あらまあ、お父さん、ま、勉強意欲旺盛で、結構結構
「くにこさん、どんなお手紙だったの?」
 ええ、まあ、あのなんていうか、よくわからないんですけど、こちらとの通信が、うまくいかないとか、そんなことだと思います、陛下
「お父さま、お元気?」
 はい、おかげさまで、陛下、
 あのー、
「なあに? いってごらんなさい」
 あのー、女王様は、いつもおひとりなんですか?
「あらあら、そんなこと、考えなくっていいのよ、くにこさん。ここは自由なの」
(そうね、女王様は私の考えてること、わかっちゃうんだからね)
「そのとうりね、くにこさん、たまに行くのよ、皇帝陛下のところにはね」
(プライベート、だもんね)
「あはは、そのとうりよ、くにこさん」
(みんな、どうしているかしら)
「ちゃんと、呼んでいるのよ、くにこさん、ほら」
<おひさしぶりー、おねーちゃん>
「やあ、元気そうじゃな、結構結構、ウホン」
「エフム、よー、おくにちゃん、ひさしぶりだなあ、ずっと、待ってたんだけどなあ、よくきた、よくきた、けっこうけっこう」
[くにこちゃん、よくきたじゃん]
「くにこ、げんきー?」
 あら!? あかちゃん! えー? ひょっとしてー
「え、まあね、ティムっていうの、まだ3ヶ月だけどね」
「エフム、ま、そういうわけだ」
 あらあ、あの、おめでとうございます、とってもかわいい
「いや、ま、ありがと、なんだ、てれくせえな、なんちゅうか」
「ありがと、くにこ、そういうわけなの」
[ドーモデシタ]
(あら、ネッツィー、ちゃんと、お父さんのこと頼むね)
 どうも、みなさん、ほんとにおひさしぶりです、これてよかった

<じゃー、おねえちゃん、ゆくよー>
え? どこへ?
<ヴェネチアだよー>
 ヴェネツィア、..ヴェニスね?
<そーだよー>
「じゃ、くにこさん、いってらっしゃい」
パチン
ジャーン、
 出てきた、あら、新しい船、
ship storia 「ストーリアをプレゼントしてあげましょう、くにこさん」
 ありがとうございます、陛下
「バイトも金庫にいっぱい入れときましたよ、くにこさん」
 うれしいー、陛下
<じゃー、しゅっぱつー>
[ハイデス]
 はーい

[クニコサン、クリック]
 エート、これ、www.doge.it/novita/rivaing.htm、ふーん
クリック

[ツイタデース]
 え? もう? はやーい!
riva degli riva degli Schiavoni(1889)


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