汝何を知らんと欲するや
第13号 21:03 2005/06/29
マイクロクィーンノヴハート
意識は動いている。動いているものは意識がある。動きの根源は何。電子の流れか。脳の神経細胞は動くことなく、繊維のなかの電子が動く。電子勾配が動く。電子が動けば電磁波が流れる。いま、考えている。エネルギーを使って考えている。脳の中の電子の密度が変化する。電磁波は空間を流れ、電子を動かす。電子の流れの変化が体を動かし、また電子の流れを変える。いま、考えていることは、自分の意思で行なわれている。じぶんがいま、どのような状態にあるかを、自分は知っている。このような状態を作っているのはミクロの意識の集合の結果だが、マクロの意識はそれを意識しない。意識は門外漢。養われているのに平然と自分を監視している。居候。居候の気まぐれで体全体が動く。体の維持の役目から解き放たれた贅沢な存在。体が環境の中のどの位置にあるかを絶えず観察している。動物のように摂食することから贅沢に離れて、別の意味を重ねて摂食する。植物のように外気を吸収することから贅沢に離れて、意味ありげに酸素を吸う。余裕のある生活。体の意思の集合に反して、環境の中を可能な限り自由に動く。自由に動く自分を絶えず観察している。目で。耳で。仮想現実世界を構築し、シミュレーションし、若干の未来を予測する。ミクロの意識が夢にまで見た自己制御の機能。可能性はミクロにあったが、あまりにポテンシャルが低く、マクロの意識になってやっと、影響力を得るほどおおきくなったポテンシャル。電子は自らの未来予測をする小さいポテンシャルを持っていた。ささやきはマクロに集まってやっと意味あるほどの動きをするようになった。無駄のない物質、電子。無駄のないエネルギー、光。光は未来予測をするか。するかもしれない。
閑話休題。最近、なぜかわからないが、不整脈が治った。心臓の途切れのない鼓動が私を癒す。生まれてから今まで、辛抱強く支えてくれた信頼できる最高の友。マイクロクィーンノヴハート。世の中も捨てたもんじゃない。
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